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大山先生ブログからの学び
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やまちゃんの3Sをベースにした経営革新
ARDENT会員企業は自由に御活用ください!:大山先生許可
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今日から暫く
「生産性向上」と「コストダウン」
について書いてみます。
■先ず「利益の源泉」について考えてみると次の計算が成り立ちます。
●
利益の源泉
=出力(良い製品を安く・速く)−入力(人・モノ・金・技術・情報)
●
利益=売価ー原価
つまり利益を最大にするためには、実情、「売価は顧客の要求で決まる」(指値) ので 如何にして原価を下げるか?ということになりますが、しかし、利益は適正 でなけれ ばなりません!
「会社の永続」・「従業員の繁栄」・協力企業様の永続」・「社会への貢献」など
から、儲け過ぎても・・・
過去の「利益の源泉」は次の3通りでした。
1.まとめて買う 2.多く売る 3.高く売る
・需要量>>生産量の時の
「利益の源泉」は
売価ー原価=利益
つまり成り行き管理でも利益が 出る管理。
・需要量>生産量の時の
「利益の源泉」は
売価=原価+利益
つまり原価主義管理で原価に併せて売価を変える管理(電気料金・ガス料金・ガソリン料金等など。
一般的な企業は殆どがこの原価主義管理です。
ところが現状の「利益の源泉」は次の3通りにすべきでしょう。
1.安く買う(調達革新) 2.安く造る(生産革新) 3.安い経営(経営革新)
・需要量<生産量の時の
「利益の源泉」は
利益=売価ー原価
つまり売価に併せて原価を下げる原価削減主義(利益の増大は原価削減のみにより得ることが出来る)
従って原価削減をするための方策としては次があります。
1.安く買う例として
a)海外調達 b)3社見積2社購買 c)ネット購買
2.安く造る例として
a)生産リードタイム短縮 b)作業性改善を設計へ反映 c)同期生産の促進
3.安い経営の例として
a)製品を変える b)人の心を変える c)仕事の仕方を変える
■生産性について
生産性は一般的に「労働生産性」を言い「仕事の成果」(Out-Put)とその仕事を完成させるために投入された労働力や設備・材料・資本などの量(In−Put)
の比率で表します。
今、労働生産性を
PL
;Out-Put(産出要素)を
Q
;In−Put(産入要素)を
IL
とすると
労働生産性(PL)=Out-Put(Q)/In−Put(TL)
の関係が
成り立ちます。
労働生産性の主な指標として次の2つがあります。
1.1人当りの付加価値額
付加価値額=(売上高または生産高)ー(材料費+外注加工費)
なので
1人当りの付加価値額=付加価値額/従業員数
となります。
2009年3月現在の
関西圏の中小企業の平均値額は105万円/月
でした。
2.労働分配率
労働分配率=(人件費/付加価値額)×100%
で60%以下が健全経営といえますが不況下の現状では労働分配率が100%以上の企業が大多数と思われます。
■「リードタイム」の考え方
「リードタイム」とは「期間」のことです。
「リードタイム短縮」
こそが今後「勝ち残る企業」を決めると言っても過言ではないと思っています。
1.ビジネスの「リードタイム」
とは
「受注〜計画〜材料発注〜材料出庫〜製造〜検査〜梱包〜出荷〜輸送〜検収」
までの期間を言います。
2.生産の「リードタイム」
とは
「計画〜材料発注〜材料出庫〜製造〜検査〜梱包〜出荷」までの期間を言います。
3.製造の「リードタイム」
とは
上記1.2項の製造の部分で「加工着手〜加工完了」までの期間を言います。
4.調達の「リードタイム」
とは
「材料発注〜材料入手」までの期間や「材料発注〜材料入庫〜材料出庫」までの期間を言います。
それぞれ、必要に応じて使い分けることが大切です。
■「標準時間設定の仕方」
1.標準時間とは
1)決められた作業方法と設備で
2)決められた標準化された作業条件(作業環境)のもとで
3)その作業に対して要求される普通の熟練度を持った作業者が
4)生理的に有害な影響を受けることなく
5)意識して努力したペース(ハイタスクペースという)で
6)適正な余裕率を加えて(15%程度)
7)1単位(1個・1台車・1パレットなど)の作業量を完成するのに必要な時間
この標準時間は直接作業者のみでなく、次のような間接作業者を含めて、経営に関する各種の管理・改善活動に活用しなければなりません。
1)原価計算・見積書作成の基礎資料
2)作業方法の設計や改善
3)生産計画・日程計画の設定
4)部門別の仕事量算出と要員計画、ライン設計
5)作業方法の設計と改善設計
2.標準時間の構成
○標準時間は大きく分けると
<正味時間と余裕時間>
で構成されています。
標準時間=正味時間+余裕時間
=正味時間×(1+余裕率)・・・外掛け法
なお、余裕率=余裕時間/(正味時間+余裕時間)として
標準時間=正味時間/(1−余裕率)・・・内掛け法
とすることもありますが
<外掛け法>
が一般的です。
○正味時間=主作業時間(主体作業時間+付随作業時間)+準備・段取り作業時間
○余裕時間=作業余裕時間+職場余裕時間+遅れ余裕時間
今、正味時間=60分、余裕率)=15%とすると
標準時間(外掛け法で計算)=60分×(1+0.15)=69分になります。
(内掛け法で計算)=60分/(1−0.15)=70.6分になります。
■標準時間の求め方と特徴 : 2010-02-10作成 株式会社 OYM
中小企業では 1)経験見積法 か 2)実績資料法 をお勧めします。
1、標準時間の必要条件
1) 一貫性 : 職場間・工程間の差がなく公平であること。
2) 正確性 : 科学的な手法に基づいて決められること。
3) 絶対性 : 世間的にも通用する概念の上で標準時間の位置づけがなされていること。
2、標準時間設定の方法と特徴
1) 経験見積法
熟練者が長年の経験から標準時間を見積もる方法で主観的な値となり、精度は落ちますが大まかに設定するものです。突発作業・修理品・特注品・個別生産などに使う手法です。
特徴 @少量生産向き A精度や数値そのものの一貫性は低い B専門家による分析不要
2) 実績資料法
作業票や作業日報を基に各作業の実績時間を集計し、その平均値を標準時間とする手法です。多くの下請け企業で採用され、親企業との単価交渉に使用される手法です。
特徴 @少量生産向き A精度や数値そのものは経験見積法より高い B分析技術が必要
3) ワーク・サンプリング法
瞬間観測法で調査の対象となるすべてのものの集まり(母集団)から、いくつかのサンプルを抜き取り母集団の性質を推定する方法で短時間観測の直接測定法です。
特徴 @小〜中量生産向き A統計学の知識が必要 Bレイティング・余裕率の加算が必要 C実用上満足な精度が得られるが観測データ数が多く必要になる。
4) 直接時間研究法(DTS法)
一定の作業方法で行われる仕事の時間値を正確に決定するために、ストップ・ウォッチなどの計測器や記録装置用いて観測する作業時間の測定法です。
特徴 小〜中量生産向き A測定技術が必要 Bレイティング・余裕率の加算が必要 C経済せ・数値の一貫性が高い D精度が高いので詳細な標準に出来る。
5) 既定時間標準法(PTS法)
人間の行う作業を基本動作に分解し、各基本動作に予め定められた動作要素時間をあてはめることで標準時間を算出する手法です。
特徴 @多量生産向き A動作分析技術が必要 Bレイティングは不要 C余裕率の加算が必要 D精度が最高なので詳細な標準に出来る。
6) 標準資料法
標準時間を迅速かつ経済的に設定するために、直接時間研究法や既定時間標準法などで収集された標準時間に関する資料を整理して標準時間を算出する手法です。
特徴 @小〜中量生産向き A動作分析・その他の技術が必要 Bレイティングは不要 C経済性・数値の一貫性が高い D精度は方法によりまちまち
■「仕事の展開」
生産性を上げるためのコストダウンを考える場合には先ず、仕事とは、どういうことか?を知ることから始める必要があります。
1.仕事は工程に展開されます。
2.工程は作業に展開されます。
3.作業は動作に展開されます。
動作
が最小単位になります。
1)工程に展開されたときには
「工程分析」
を行います。
2)作業に展開されたときには
「作業分析」
を行います。
3)動作に展開されたときには
「動作分析」
を行います。
それぞれの分析は1)→2)→3)の順に行うことが肝心です。理由は全体の分析をして、部分の分析をしないと良い結果が得られなくなります。
中小企業の場合は工程分析だけを繰り返し行い
「リードタイムの短縮」
半減を目標に取り組むべきです。
よく作業分析をして
「工数低減」
から取り組む会社が多いですが、必ず失敗します。作業分析も悪くはないのですが、部分は良くなりますが・・・全体は変わらない実例を「やま」は、やまほど経験していますから
「工程分析」
は
「リードタイム短縮」
に寄与しますし・・・
「作業分析」
と
「動作分析」
は
「工数削減」
に寄与します。
■「生産(日程)計画」
の立て方について
生産現場で生産(日程)計画を立てるには次の条件が必要です。
1.生産(製造)リードタイムは?(何日・何時間)
2.1日の就業時間のうち実働時間は?(休憩時間と昼食時間を除く)
3.余裕率を何%にするのか?(15%程度)
4.1時間当りの必要経費(チャージ)はいくらか?
5.初物か?リピート品か?
■今日から
「リードタイムを決めて・守って短縮する」
を目的にストーリーに従って話を進めます。
先ず第一に
「3S/5S」
が出来ていなければ
「リードタイム」
には進めないことをご理解戴きたい!
そこで「3S/5S」はある程度出来ていると考えて話をします。
「モノ」を生産する場合、最も効率のの良い生産の仕方は
「同じもの」を「同じ数」だけ、毎日、生産する
ことですが1週間の生産計画を考えても「忙しい日」と「暇な日」が必ず発生します。
暇な時は時間を使うだけで生産は上がらず、忙しい時は残業をする・・・など生産性や経営には関係ない「ムダ」が発生しているのが現状ではないでしょうか
「モノ造り」の「あるべき姿」として、その製品(商品)を造るためにはタイミングがあります。
そのためには
「タクトタイム」
で製品を造ることが肝心です。
「タクトタイム」
の考え方は!
例えば:5日で10個造るとすると・・・10個÷5日=2個/日となり
1日に2個ず造っていけば良いことになります。これを「タクトタイム」と言います。
2個造って時間が余った時は「改善」に取り組むようにして、生産性を落とさないようにすることが必要条件です。
その「タクトタイム」で造るシステム(仕組み)を
「生産の平準化」
と言います。その基本的なステップとして「生産の平均化」即ち、毎日同じものを同じ数だけ生産するように生産計画を立てることです。
■「生産の平均化と平準化」
*製品の種類(個別)の1日当り「同じもの」を「同じ量」だけ生産することを
「平均化」
と言い、平均化されたものを更に細分化することを
「平準化」
と言います。
一般的に
「平均化」
を飛ばして
「平準化」
と考えているようですが、平均化を先に行わないと平準化は出来にくいのが「やま」の体験知です。
「平準化」して生産することは、製品を最も安く造る方法・手段であり、経営的には
「安く経営」することになります。
======================================
「平均化」の手順
品 名:::月当り生産量:::日当たり生産数(20日稼働)
A 200 10
B 120 6
C 40 2
======================================
「平準化」の手順
品 名:::日当り生産量:::半日当り生産数(半分ずつ・午前午後)
A 10 5
B 6 3
C 2 1
======================================数量が多い場合、更に細分化して、2時間当たりとか、1時間当たりで同じ製品を2つ以上続けずに繰り返して生産するのが「平準化生産」の最終目標です。
例えば:
ABABACABAB・ABABACABABの順で生産するようにします。
この考え方は「間接作業」〜「スナック経営」に至るまで同じ効果が得られます!
次回は
「ナゼ平準化が必要なのか?」
です。
■
「ナゼ平準化なのか?」
<<平準化その1>>
平準化には2通りありますが今日は量の平準化について述べます。
1)量の平準化:
企業の規模にもよりますが、営業部門や生産管理部門など計画系が仕事量(標準時間×生産数)を日々に分けて山積みし、毎日の仕事量がほぼ1日分になるように前詰で平準化します。
重要なことは
「納期日」
に合わせて計画をするのでなく、
納期日から製造リードタイムを遡った日を「着手日」
とすることです。
納期日に全仕事量を山積みすると、製造リードタイムが考慮されなくなります。
例えば、納期日が2月26日で1台の標準時間4時間の製品が20台だとすると
仕事量=4時間×20台=80時間となります。1日1人8時間作業するとして2人で作業する場合の製造リードタイム=80時間/8時間×2人=5日となります。
つまり、着手日は、2月26日から5日遡った2月22日になります。
そうするとこの製品の1日当りの仕事量=8時間×2人=16時間となります。
従って、2月22日〜2月26日まで毎日16時間ずつを山積みします。他の製品についても同様に山積みをして毎日の仕事量がほぼ1日分になるように平準化します。
ところが、納期日で山積みすると2月26日の仕事量が80時間となり、10人分の仕事量になるため、実情とかけ離れた生産計画になってしまいます!!!
量の多い・少ないに拘わらず平準化して仕事量の多い時は残業や休日出勤でカバ−して仕事量の少ない時は生産性を落とさず、余った時間は改善時間にします。
<<平準化その2>>
2)品種の平準化
現場(製造)部門は営業部門や生産管理部門で平準化された仕事量を受けて
1)同じ設備や同じ人に仕事が偏らないようにする。
2)タクトタイムが平均化されるようにする。
実際に行う場合に重要なことは
1)生産するロットサイズを「大・小・大・小」と交互にする。
2)手作業と機械加工を交互にする。
3)後工程引取りにして仕掛り量を減らす。(仕掛りゼロがベスト)
4)段取り改善をする。
5)少人化・省人化を併せて取り入れる。
<<1個流し(造り)生産>>
平均化/平準化の計画の後で材料(素材)〜完成に至るまで「1個の製品」を「1個」ずつ工程順に従って材料の引取・加工・組立・運搬を行い1製品を1台ずつ生産することである。
1個流し生産は
お客さん(エンドユーザー)は基本的に1個ずつ買うわけだから、生産する工場でも
1個ずつ造るべきである。つまり、売れたものだけ造る方法である。
そのための主な条件としてつぎがある。
1)流れをつくる条件として各工程で規則正しく1個ずつ生産する。
2)各工程(人数)の時間は等しくなるようにバランスをとる。
3)手待ちが発生したら助け合いをする。
4)後工程が前工程から1個ずつ引き取るようにする。(後工程引取)
5)1個完成してから1個投入する。
6)情報も1個流しとする。(基本的にモノと情報は一緒に流す)
<<1個流し生産の長所>>
1個づつ造ると、今までバッチ生産(まとめ造り)では隠れて見えかなかった「ムダ」が”ド〜ン”と浮かび上がって来ます!例えば、
1)手待ちのムダ(工程毎のバランスの悪さ)
2)能率的でないムダ(取り置きなど)
3)ムダ作業をするムダ(不良発見の遅れ)
4)方法(やり方)のムダ(取り置き・在庫・数量確認など)
5)動作のムダ(移動・運搬など)
従って、徹底してムダを浮き上がらせる造り方としては、「1個流し」が最適です。
「1個流し」の長所として
1)リードタイムが短縮できる。
2)工程間仕掛量(在庫量含む)が極少になる。
3)不良が最初の1個目で発見できる。
4)工程間にスペースが要らない。
5)計画変更に柔軟に対応できる。(1個ずつ完成するため、すぐに製造中断可能)
<<1個流しの要点>>
1.設備について
1)工程順に機械・設備・装置を配置する。
2)配置はU字・二の字・Lの字などにする。
3)時計方向回りに配置する。(反時計回りの意見もあるが「やま」の経験値)
4)投入品(入口)と完成品(出口)が隣りになるようにする。
5)安全第一で配置する。(電ドルやエアガンが振れないよう定位置にとめる)
2・工程性(作業性)について
1)仕事量から要員(作業者数)計画を立てる。
2)製作する製品の仮の作業手順を決める。
3)要員計画で決められた作業者数と仮の作業手順で実際に作業する。
4)作業結果で正式な作業手順を決める。
5)各作業者の作業時間が同じになるように作業を分割する。
3.仕組み造りについて
1)初めてラインで「1個流し」をする時は各工程にその作業の仕掛品を造ってお く(手待ちが無いように、各作業者が用意ドンでスタートする時)
2)各工程には予め必要部品をセットしておく。
3)必要部品供給は作業者自身はしない!供給専任(水すまし)が用意する。
4)各工程の検査項目を明確にして作業者は自分で作業した結果が良品であること を確認し全数検査して後工程に送る。
5)後工程引取りとする。(前工程は後工程が引き取ってから作業に着手する)
<<流れるライン化>>
製品を造る時は「小川の流れように」堰も淀みも無い川上から川下へスムーズな流れを造ることが大切です。
生産の流れを淀ませないためには「作業者・材料・情報・改革」を常に流れる状態にすることが「QCD」からも重要です。
「流れるライン化」
は各工程間の
「堰や淀み」=仕掛品
を無くすことが第一です。
そのためには「目で異常が見える管理」
「「今の状態が正常なのか?異常なのか?誰が見ても「ひと目」で判るようにすること」」!
も併せて実施することです。
着眼点には次の4点があります。
1.リードタイムの短縮
2.多能工による生産量の変動への対応
3.1個流し
4.目で異常が見える管理
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